[しくみと図面]
2026年03月23日
ゲームコントローラーを分解
今回は、ファミコン世代のゲームコントローラーを分解、解析したいと思います。
昨年Nintendo Switch2が発売されました。
初代と同じく、Joy-Conを使ってプレイできます。
十字ボタンにA,Bボタン。
そしてX,Y,L,Rなど、現在のコントローラーには、多くのボタンがあります。
しかし1980年代の技術では、方向ボタンとA,Bの6ボタンが主流でした。
察しの良い方はわかると思いますが、これは当時のゲーム機が8bitで動作していたことに起因します。
ファミコンだけではなく、他のゲーム機もどれも似た状態でした。
※ファミコンは通信方法が他と違っていました(シリアル通信)
今回は、そんな旧世代のゲームコントローラーを分解してみたいと思います。
今回のターゲットは、以下の通り
ATARI式コントローラー
MSX規格POWER PAD JS-221(パナソニック製)
「ATARI式」とは、上下左右ボタンとA,Bの両ボタンがついたコントローラーです。
D-Sub9pinというインタフェイスを使っているため、規格があえば、ATARIのゲーム機以外でも利用できました。
MSXは1980年代に、日本のアスキー社と米国マイクロソフトによって提唱されたホームコンピュータ規格です。
MSXではATARI式コントローラーを規格に採用していたため、使い事ができます。
JS-221は、連射機能を備えたコントローラーになります。
では、早速分解して中味を検証してみたいと思います。
各ボタンの裏側に、電気を通すスイッチが内蔵されています。
このスイッチが基板に接触すると、電気が流れる(ボタンが押される)状態になります。
また、連射機能を調整するレバーも確認できます。
基板については、ボタンの配置と左右反転した位置にセンサーが配置されているのがわかると思います。
基板をエリアで区切ると、3つに分割できます。
左が方向キーと本体への信号発信ポート
中が連射機能制御部
右がA,Bボタンのセンサーと連射機能との接続
となります。
次に連射機能について、見てみましょう。
写真ではわかりづらいですが、M4069UBのICを使って、連射機能を実装しています。
型番は、以下を意味しています。
M : 三菱電機
4096 : インバーター
UB : アンバッファ。信号の増幅を行わない
インバーターは、信号のHigh(例5V)とLowを変換する機能です。
つまり、ボタンを押したままでも、定期的にLow(押下)にし、再びHigh(離す)にすることで連射することができる様になります。
連射速度を調整するバーは、可変抵抗を調整しています。
この抵抗とコンデンサに接続することで、コンデンサの放電時間を調整することができます。
この機構をCR発振回路とよびます。
最後にコントローラーから本体に結果をフィードバック時に、トランジスタを通します。
このトランジスタを通すことで、回路保全、ボタンの押下状態の安定化をはかることができます。
さて、この回路や筐体を観察して気になる点はありましたでしょうか?
これは想像ですが、連射機能はA,Bボタンそれぞれ独立した設定ができる姉妹品があった可能性があります。
その根拠ですが、以下の点が挙げられます。
1:連射レバーのスペースが2本分準備されている
2:抵抗など部品番号が1から始まっていない
3:基盤に使われていないホールがあり(中央から右側)、中央左側に回路が似ている(左右対称)
現在のゲームコントローラーの多くは、USBやBluetoothなど、シリアル通信を行っているものがほとんどです。
現在では今回のATARI仕様のコントローラーの様に、パラレル信号で制御するのは珍しく、また技術史を感じます。
当時の電子工作マニアは、電子工作を行い、ゲームパッドに連射機能を追加する記事を読みながら、改造していたと想像します。
今回は、1980年代のコントローラーを分解、解説してみました。
基板や部品番号を観察することで、どの様な機能を持たせたかったかを想像することができました。
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